JOAナヴィゲーションスキル検定・認定インストラクター


公益社団法人日本オリエンテーリング協会
ナヴィゲーションスキル検定・認定ナヴィゲーションインストラクター

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ポケットガイド:ナヴィゲーションスタンダード


読図とナヴィゲーション技術の必要性

 山岳遭難は現在年間約3000人、そのうち約10%が命を落としています。しかも、1990年以降、遭難者数は増加の一途。増加の大きな要因が道迷い遭難で、現在では全遭難の約40%が道迷いです。地図アプリやGPSが利用可能な現在でも、地図を読み、ナヴィゲーションスキルを持つことが、それら機器の有用性を高めることに役立ちます。

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【図1:山岳遭難数の推移と道迷い遭難率】クリックすると大きい画像が出ます

 ナヴィゲーション技術があれば、道迷いの多くは回避できます。ナヴィゲーション技術を身につけると同時に、地図を使ったナヴィゲーションの楽しさを多くの人に感じていただきたいという願いから、このページを編集しました。  本ページは、(公社)日本オリエンテーリング協会(JOA)が、ナヴィゲーションスキルの効果的な習得のために設定した「ナヴィゲーション・スタンダード」とも整合させています。JOAでは、「ナヴィゲーションスキル講習・検定」、指導者育成のための「ナヴィゲーション・インストラクター養成事業」を展開しています。


ナヴィゲーションとは?

 ナヴィゲーションとは地図を使って、目的地に間違いなく進む技術です。旧来、登山の世界では読図と呼ばれてきました。もちろん、地図を読むことはナヴィゲーションの核心です。そのためには、地形図記号や地図の約束事を憶える必要があります。
→基本の地形図記号と地図記号を使う際の留意点

 しかし、それだけでは目的地に到達できません。まず、何のために地図を読むのでしょうか。ナヴィゲーションでは、①目的地へのルートとチェックポイント(中間目標地点)とその特徴を地図から読み取る、②地図から決めたルートを維持する、③チェックポイントに来たかを確認する、必要があります。①を先読み、②をルート維持(あるいは進路維持)、③を現在地の把握と呼んでいます。地図を読む時に①~③のどの目的で行っているのかを意識することが重要です。この3つのステップについては →「ナヴィゲーションサイクルとは?」に詳しく記載してあります。

 風景を見ることも重要です。地図だけでなく風景を見るからこそ、現在地が分かり、ルートも維持できるのです。特に、風景の中で尾根・谷を捉えたり、傾斜が変化する場所、あるいはスカイライン(地面と空の境)の形が捉えられれば、確実にナヴィゲーション力がアップします。  自然の中でのナヴィゲーションでは、失敗(道間違い)はつきものです。たとえ道を間違えても、道迷いに至らない、あるいは最悪のダメージを防ぐことも重要です。
→道を間違えた、と思ったら

いわゆる藪漕ぎ登山や雪山では、特徴に乏しい場所を方向を決めて進むスキルも必要です。ベースプレートコンパスを使った直進の技術も、上級者には欠かせないスキルです。

(本ページの内容は、国立登山研修所(編)テキスト「安全で楽しい登山を目指して」の「第4章:読図とナヴィゲーション」を元に、著者本人が簡易にまとめたものです。)




  1. 基本の地形図記号と地図記号を使う際の留意点
  2. ナヴィゲーションサイクルとは?
  3. 現在地を把握する様々な方法
  4. コンパス・地図を使った進路の維持
  5. 線状特徴物がなくてもまっすぐ進むテクニック
  6. 道を間違えた、と思ったら
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