【緊急注意喚起】オリエンテーリング中のリスクについて(熱中症)

公益社団法人日本オリエンテーリング協会

 中国で開催されたワールドゲームズにおいて、8月8日に開催された酷暑の中のミドル種目で、多くの選手が熱中症に罹るという事態が発生しました。その中で重体であったイタリアの男子選手が、可能な限りの処置の甲斐なく、12日に還らぬ人となりました(詳細は、IOFのサイトで公表されています。https://orienteering.sport/iof-mourns-death-of-italian-athlete-mattia-debertolis/)。

詳細な経緯及び原因はまだ不明ですが、(公社)日本オリエンテーリング協会では、酷暑の日本において、同様の事故が起きないよう、会員およびオリエンテーリング関連の皆様に緊急注意喚起を致します。

◎WBGT31以上は「危険」レベル(※1)であり、日本スポーツ協会のガイドラインでも原則運動中止とされています(※2)。「原則」の解釈は、サッカー協会の指針などが参考になります(※3)。

◎コース設定においては、オープンや舗装道路を走る区間を最小限にし、日の当たる場所での活動を最小限にしてください。これは休憩中にも当てはまります。

◎練習・競技を行う際には、スタート前に十分な給水を行い、練習・競技中は概ね30分ごとに給水ができるようにしてください。30分を超えて給水できない場合、いわゆるハイドレーション(運動中も飲水できるシステム)の携帯を強く推奨します。

◎症状が出た選手に対応するため、水や経口補水液、氷などを必ず準備してください。

◎参加者にも体調管理や水分・電解質補給の必要性を確実に周知してください。
提示文例:「参加者の皆さん。熱中症は症状が自覚された時にはすでに危険な状態です。暑い時期の大会ではスタート前に十分水分補給をし、喉の渇きを感じていなくてもレース中も給水所でこまめに水分を摂取してください。特に子供さんや高齢者の方はご注意ください。)

※1: 環境省 「熱中症予防情報サイト」: https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php
※2:日本スポーツ協会 熱中症予防運動指針「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」:
https://www.japan-sports.or.jp/Portals/0/data/supoken/doc/heatstroke/heatstroke_0531.pdf
※3:日本サッカー協会 「熱中症対策ガイドライン」: https://www.jfa.jp/documents/pdf/other/heatstroke_guideline.pdf