3年間の集大成。その2

WOC日本チーム コーチの吉田です。前回の続きです。

 これまでの2年間を踏まえて、今年はさらに自分の考えを前面に出しました。選手には下手なんだということを面と向かって言い、正置の方法からやりなおすこととしました。

 基礎を鍛えなおすには時間がかかるため、まず、プログラムへの参加登録制をひき、どんなに日本で結果を出してもWOC参加の意思を持って練習しない選手を排除しました。JOA トレーニング合宿の開始前から一般向けの技術合宿を月1回行い、基礎の重要性を広める機会を設けました。JOAトレーニング合宿のプログラムにおいても、今までのチーム準備にかけていた基礎を鍛えなおす時期を設け、指導書を作って基礎練習課題を明確にしました。 

 選手選考過程においては速いか遅いかだけでなく、基礎課題をちゃんとこなせているかを見ることにしました。また、事情にかかわらず、最後までトレーニングを継続できない状況の選手や冬場の準備ができていない選手は選考しないことにしました。

 そうして、選考したのが今回のメンバーです。残念ながら女子リレーチームは組めませんでしたが、それが今の日本の実力です。今年の日本チームはとても強いぞとまでは言えませんが、オリエンテーリング関係者だけでなく、外部に向けても、スポーツ団体代表として恥ずかしくないチームは組めたと思っています。これから本当に強いチームになるための大きなエポックメイキングとなるチームだと信じています。

チームの目標

過去2年間は数値的な目標をだしませんでした。

世界の状況や選手の能力の理解なしに数値目標は出せなかったからです。

今年は目標を出すことにします。それは過度な期待をせず、選手が十分力を出せたか、選手は、そしてチームは成長しているかを皆さんに評価していただきたいからです。

  1. 個人戦では男子予選20位以内をのべ3名、女子予選20位以内をのべ2名。
    うち1名以上の予選通過。
  2. 男子リレーでは、2走終了時点まで集団で経過し、去年の順位を上回る。

あまり目を引くような目標ではありませんが、ここ数年20位以内になることがどれだけ難しいか、20位がどのくらいのキロあたりタイムで走っているかを見ればこれは非常にチャレンジングな目標です。一方で、彼らなら達成可能な目標でもあると思います。