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4-1.ルートチョイスについて その2

 スキーオリエンテーリングでは、あらかじめ主催者によって整備されたトラックを通ってもよいですし、ショートカットして好きなところを進んでもかまいません。要は、指定された箇所をいかに早く順番どおりに回って帰ってくるか、そこだけに注力すればよいのです。

 では、実際のルートチョイスについて、実例を見てみましょう。

 右の地図は、実際のレースで利用された海外の地図(クリックすると拡大表示)です。

 △がスタート位置で、○を全て通って、◎のゴールにたどりつくまでの所要時間を競います。

 地図を渡されたらまずは1番を目指し、1番コントロールでチェックしてから、2番、3番と続けていきます。

 では、今回はまず、スタートから1番について、行きかたを考えて見ましょう。

 今回の地図は、破線、つまりモービルによってつけられた幅1~1.5m程度の狭いトラックがほとんどです。スタート付近に幅2m以上のピステで圧雪された箇所がありますが、1番まででそこを通ることはないでしょう。

 スタートは太いピステ道と、モービルトラックの交差点にあるようです。

 あなたら、1番までどのようにして滑って行きますか??

実は、今回の例は非常にトラックの交差が多く、非常に難しい例です。

 右の図を見てもらいたいのですが、赤い点線で行くルートもあるでしょうし、青いルートも考えられます。実は交差点の数だけ選択肢がありますので、行きかたは非常にたくさんあるでしょう。

 赤い線で行くと、ほぼフラットなところを進んでいけるのに対し、青い線だと等高線(茶色い線)をまたぎますので、コース上にのぼりくだりがあることが予想されます。
 体力のある人であれば、多少ののぼりくだりは気にしないでしょうし、逆に多少曲がる回数が多くても、上りたくない、という人は赤い線のルートをたどるのが良いかもしれません。

ほかにはどのようなルートがあるでしょうか?

 右は、途中でトラックのないところを通って、ショートカットしています。当然、滑る距離が短くなりますので、時間を短縮できるかもしれません。

ただし、新雪の中、ずぼずぼと埋まってしまうような雪だったらどうでしょう??いくら距離が短いからといって、ショートカットするのが得策であるとは言えないでしょう。

 地図を見ただけでは、実際のところベストルートは分かりません。その当日の気候、雪のコンディション、本人のスキー技術、ナビゲーション力など、いろいろな要素で本人にとってのベストルートはありますが、誰がやっても早いルートなどは存在しないのです。ルートチョイスによっては、スキーが遅い人でも早い人を出し抜くことが出来るかもしれませんし、あるいは、新雪にはまって大失敗してしまうかもしれません。

  そこが、クロスカントリースキーには無い、スキーオリエンテーリングの醍醐味であるといえるでしょう。

 また、いったんどこかがで迷ってしまったりすると、なかなか現在地を把握するのは困難です。慎重にナビゲーションしながら、でも交差点で止まったりせずスピードを上げていかないと、レースで上位に食い込むことが出来ないでしょう。脳みそと体力、その両方の資質が問われるスポーツなのです。