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1-5.フットオリエンテーリングとの違い

 フットオリエンテーリングとの一番の違いとは何でしょうか。もちろん走って行うフットオリエンテーリングに比べて、スキーという道具を用いるという違いはありますし、地図の表記方法もかなり違います。しかし、一番の違いといえば、競技のスピード感であるということができるでしょう。

 フットオリエンテーリングと異なり、コントロールは全て道(トラック)上にあります。さらに雪の上で行われるため、他の競技者の通った後をたどれるので、すごく簡単な競技だと思うかもしれません。 

 しかし、現実はそんなに簡単ではありません。ここでは、その違いについて詳しく説明していきたいと思います。

 まず、スキーオリエンテーリングでは、コントロールは全てトラック上にあります。 フット用と異なり、多くの場合は2本の棒の間に紐が張られ、フラッグ・パンチ・及びコントロール番号がぶらさがっています。これらのコントロールは全てトラック上にあるため、仮に適切なルート選択が出来ていれば、深い雪や、新雪にわざわざ突っ込む必要はありません。

 これだけを聞くと、すごく簡単に聞こえますが、実はこの適切なルート選択が非常に難しいのです。というのも、トラックというのは通常4種類あり、以下のように分けることが出来ます。

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 通常のスキーオリエンテーリング大会では、これらのトラックの比率があらかじめ発表されていますが、ほとんどの場合、上二つのスケーティング可能なトラックが 30~50%、スケーティング困難なトラックが50~70%、点線が0~5%程度です。したがって、単純にスキーの技術があっても、スケーティング技術を用いるのが困難なルートを多く選択してしまうと、非常に苦労してしまいます。

 また、フットオリエンテーリングとの大きな違いは、進行スピードです。フットオリエンテーリングでは、世界レベルの大会であっても、1キロ進むのに 7~8分程度かかりますが、スキーオリエンテーリングではわずか2分半程度です。このスピードは、自動車に例えれば、街中を運転するのにものすごいスピードで走ることを意味しています。つまり、曲がり角がたくさんあり、予期せぬ障害物がたくさんあるなかを、フルスピードで目的地まで到達しなければならないような競技なのです。

 このようなスピード感を楽しめるのが、フットオリエンテーリングとの一番の違いで、もちろんこのスピードの為に、ナビゲーションが上手くいかなかったり、目的とする方向とかなり違う方向に向かってしまったりすることもあります。

 また、スキーでは一度立ち止まってしまうと、フルスピードに戻るのに10秒程度かかってしまい、非常に大きなロスとなってしまいますので、どこで曲がるか、どのルートを選択して進んでいくか、などをスキーで滑ったままの状態で確認していかなければならず、スキーが上手なオリエンテーリングの初心者などは、自分自身のあまりのスピードの為にナビゲーションついてこない、ということがよく起こってしまいます。